将棋棋士1・2、囲碁vs将棋と様々な人狼を放送してきたニコニコ生放送---2014年4月19日に放送されたこの回では将棋棋士とゲームクリエイターが激突した。
今回は最も盛り上がった4村目(最終戦)を軸に、放送を振り返ってみる。
(以下ネタバレを含みます、主演者敬称略)
将棋棋士 vs ゲームクリエイター 出演者紹介
イシイジロウ
ゲームクリエイター人狼主宰。「428~封鎖された渋谷で~」はこの人作。4村目は最終日まで残り、激闘を演じた。本日の主役その1。
安西崇
ドラゴンクエストチーフプランナー。ハスキーボイスで人狼を追い詰める男前。愛称は「安西先生」。
大野聡
BBスタジオ、後にヘルメットがトレードマークに。起動戦士ガンダムバトルオペレーションを手がける。
外山圭一郎
「重力」をテーマにしたアクションゲーム、Gravity Dazeのディレクター。酒豪として知られる。
眞形隆之
通称・人狼伝道師。アルティメット人狼の旗振り役。
中田功七段
人狼棋士といえば中田コーヤン先生。この日も抜群の推理と考察力を発揮。
村中秀史六段
白でも黒でも強い諸悪の根源。オンラインで放送されている数々の村に登場し、そのたびに視聴者を楽しませてくれる。
門倉啓太四段
将棋界最強の頭脳を持つ男。本日の主役その2(後述)。
香川愛生女流王将
「番長」として名を馳せる女流棋士。これ以降人狼放送に多数出演。
伊奈川愛菓女流初段
医師の卵でもある女流棋士。人狼の各々のプレイスタイルを「棋風(=将棋における、その人の個性)」と表現した棋士らしさが印象的。
マドック(松崎史也)
人狼TLPT看板役者。本人は将棋・ゲーム好きなのだが、キャラになりきるロールプレイのため、高圧的な口調を崩さずに戦う。本日の主役その3(後述)。
将棋棋士 vs ゲームクリエイター 1~3戦目まで
1戦目
ゲームクリエイターと将棋棋士との戦い。これ以降アルティメット人狼を筆頭に、様々な形で同村するメンバーが登場した。
2戦目:マドック参戦
眞形に代わり、マドックが入村。徹底したRPで場を盛り上げる。マドックのいた陣営は敗北したものの、これまでの人狼放送に違う風を吹き込んだ。
3戦目:カドック誕生
マドックはRPを続けていき、適度に門倉4段をいじるようになる。ゲーム終了間際、マドックは門倉に対して「私がいないときにカドックと名乗るが良い」と発言。門倉4段は「カドック」の愛称で親しまれるようになる。
将棋棋士 vs ゲームクリエイター 4戦目
連続ガード不可、役欠けありの村。
初日
外山(狂) 占いCO
ゲーム開始前に話題に上がったカドックの役職COがあり楽しい展開に。
「次のターンまで生き残れたら伝えたいことがある」役職名までは言及せずのCOとなった。
決選投票になってからの弁明だったので、タイミングとしては不自然ではないが、役職名まで言及しなかった点は扱いが難しいところ。
初日に騎士COはないと仮定すると残った席はほぼ霊媒。よって今後はほぼ霊媒COしたとみなしてゲームが進む。
襲撃 安西(村)
前日に2番目に票が集まっていた位置を襲撃。
翌日処刑候補にしやすい位置なので、狼としては本来残したい人間である。
村から黒く見られた人は護衛が入りにくいのでGJされにくいという点で選んだと考えられる。
2日目
眞形は真偽を問わず、今後結果は白しか出ない。
ゲーム開始時狼は全部で2匹配置されており、既に1匹吊れたという情報を持ってきたためだ。よって眞形の真贋が完全につかない場合、どこかで眞形を処刑する選択肢も出てくる。
いずれにせよ村陣営にとっては安定した進行を構築しやすい結果を提出したといえる。
前日に2番目に票が集まったところを占い人間判定。
安西が襲撃されていることから噛み先占いとなった。この占い先は真占はやりにくい動きである。
昨日の時点で大野の次に怪しかった位置を占うのは、黒と出れば問題ないが白の場合非常に危険である。
「こんなに怪しいのに白?」という視点が村から生じ、黒を囲った(黒に白と言った)人外ではないかという疑惑が生まれやすくなるためだ。
噛み先占いとなったことからこのときGENは「狂人目は薄く、真狼目」という推理であった。
3日目
狂人からの白を得た狼陣営。この時点で外山が狂人であることが狼目線で確定。
襲撃 門倉(占)
真占の襲撃に成功した狼陣営。外山の白であるイシイに前日票が集まったことから、村目線では外山はかなり偽目で見られていた。
騎士がいる場合高確率で門倉に護衛が入っている。非常に思い切った噛み筋といえる。
外山目線では襲撃によって死んだ門倉は真占となる。眞形は霊を乗っ取った人狼の可能性も一応追える。
黒を打たれた&仕事の終えた役職ということで村としては最も安全な処刑先を選んだ。
4日目
処刑 村中(村)
安全策でいくなら外山が安パイだが、村はグレー処刑の道を選んだ。
村中に投票したマドック・イシイの黒要素がこの時点で一気に上がることになる。
マドックとの直接対決を実現させたイシイ。ここから最終日という死闘がはじまる。
5日目
イシイ(狼) 人狼CO
互いに狼COし、狂人を説得にかかる展開に。これまでの展開から各々の要素を提示していく。外山を狂人と気づいたタイミングをそれぞれ主張。
イ「イシイを占って人間と判定したとき」
イシイの方が早く狂人だと把握しているので、襲撃タイミングで考えるとイシイの方が黒目である。
しかしマドックは外山を残し続ける論理を主張し続けてきたことを黒要素に提示する。
これにより狂人はもちろんのこと、視聴者含めどちらが人狼のケースも追える展開となった。
ちなみにマドックに限らず村目線では外山が人狼で、イシイがただの素村であり、人狼からPP偽装されているケースも追えるが、それを疑うそぶりを議論中に出すと強い村要素となり狂人にご主人様を決め打たれるリスクが高い。
よってマドックは外山を狂人と決め打った上で、完全に人狼になりきって戦っていた。
狂人外山を騙しきった素村マドック。狂人の1票を狼に入れさせPP回避を成功させた。
マドックの見事なRPと自身の黒塗り
口調を固定し徹底したRPを続けながら終盤になるに連れ自らの狼要素をあげていき、狂人を騙す準備を怠らなかったマドック。
途中までイシイをLWと見ていたGENだったが、最終日の議論を聞いてほぼフラットになってしまった。狂人がこれほど胃痛の村も珍しいだろう。
今回の放送でマドックのファンになった人も多いのではないだろうか。
カドック・マドックが同陣営であったことから物語としても美しいエンディングとなり、最終戦にふさわしい名勝負となった。
1~3戦目がもはやフリになっているという奇跡ーーー人狼放送はやはり頭から見た方が良いっすな。