人間陣営の攻撃である日中の処刑---これを誰に使うかを決めるのが投票である。全員平等に1票ずつ持っていることから、立場や戦況に応じて個々人の1票には様々なニュアンスが込められる。
今回は投票により村が得られる情報や、投票形式に応じた考察の変化について述べていく。
投票により出る情報とは
狼に投票した人は白くなる
占い結果や霊媒結果などの事実から確実に狼と確定した人が出ることがある。この確定狼に投票した人は身内切りの場合を除くと人間ということになる。
特にトドメを指した人はより白くなるが、「トドメをさす」ニュアンスはルールにより異なる。詳しくは後述。
前日票が集まった人は翌日も吊られやすい
となり、Aが最多得票で処刑されたとする。
このとき2番目に票が集まったBに注目してほしい。これだけ集まるということは人外の票が含まれている可能性は高いものの、客観的に考えてAの次に疑われた人である。よって明日以降も疑われる位置になって来る。
Bは翌日も処刑対象に上がり続けるので、Bが人間の場合襲撃対象には選ばれにくい、よって狩人はBを護衛対象から外しやすくなる。Bが襲撃でいなくなれば村からすると一番の狼候補がいなくなったことになるので、Bには申し訳ないが村としてはむしろおトクと考えることもできる。
また占い師がBを占うのはリスクが高く、信頼を失いやすい。Bを占って黒と出ればまだ良いのだが白と出てしまうと人外の囲いを強く疑われる。真の占い師の占い先の心情として白が出たときのリスクが高く占いにくいとされる。
様々な投票形式
一斉投票
対面人狼での「せーの」とタイミングを合わせて指差す方式がこれ。
オンライン人狼では投票先を隠した上で一斉開票するシステムがほとんど為、実質この形式と同じニュアンスになっている。
このシステムの場合、投票中に役職COする隙が設けられないので投票時間前にCOを催促するのが一般的。
任意順投票
各々が自身の思う順番で投票する。人狼TLPT、アルティメット人狼をはじめ、(2016年中旬以降の)スリアロ村、イトキチ村など大手人狼放送のほとんどがこれにあたる。
前半よりも後半の票の方が決定力が大きくなる為、後半の投票に注目が集まる傾向がある。逆に前半に投票する人は生存意欲が薄い為、相対的に素村の傾向が強くなる。
このルールでは「トドメを指す」ニュアンスが異なる。例えば、既に覆せないレベルで狼に票が入っている段階で、狼に票を重ねた人はいわゆる死に票なので白要素にならない。
「トドメをさす」のは後ろが覆せない決定票を入れた人のみで、次点でそれ以前に狼に票を入れた人が白くなる。
固定順投票
最初に投票する人を事前ルールにより決定し、そこから時計回り、右隣の人といった形で順に投票する。
人狼HOUSE、人狼最大トーナメント、アプリ「牢獄の悪夢」などがこれに当たる。
ゲームルールによって1票目が決まる為、1票目が決まる過程が考察内容として重視される。自ずと最終票を持っている人も固定される為、後半の投票者へ注目が集まりやすく、大きな意味を持ってくる。
アプリ「人狼ゲーム~牢獄の悪夢~」を一例として出しておく。
こちらは最初は初日は名簿を使った固定順投票だが、2日以降は狼の襲撃先の次の人から固定順投票となる。狼は意図的に襲撃先を狼が後半になるように調整できるだめ、後半の人には投票の威力を高めた狼の可能性が出てくる。
ひとつの投票形式にだけ慣れていると、別文化に触れた時に初日から考察の違いに驚かされます。投票形式はそれほどゲーム性を左右する重要要素です。